きもの(着物)の着付け教室の「尚美流」

全国にきつけ教室を広める尚美会グループ

創始者寸言集

美在心中
人間は風のそよぎや葉の輝き、雨の光や音に、どんな芸術よりも深く心を打たれるときがあります。「美しいと感じる」には、そのものの美しさよりも、それを感じとる人間の感性がはたらいているからです。
指導者の皆さんには、きもの着付けやメイクアップ、髪型、あるいはその人の言葉や歩き方、手の動き、自然な動作に美を見出し、芸術を感じ、人生を感じ、愛を感じ、死というものを感じとれるようになってもらいたいものです。
「人生に苦しんだことのないひとに芸術はわからない」といわれます。人生をまっすぐに見て、人々への愛情ゆえに苦しみながらも誠実に生きている人は、その心であらゆる美をキャッチされることでしょう。
初心不忘
私は、私の愛する組織の皆さんにはじめてお会いするとき、その表情や髪型、服装の特徴などをつとめて覚えるようにしています。それは、はじめから変わらないひとつの絆にしたいからです。
人間関係のなかで人はいろいろな錯覚に陥ります。とくに指導する立場にいる者は、長い間「先生」と呼ばれているうちに、自分はまず人間であることを忘れて「先生」という特別な存在になってしまいがちです。
私は、はじめて会ったとき、学園長になられたときから言動が変わっている人に厳しく注意することがあります。初心を忘れない人だけが、本当の努力をし、本当の愛を知り、強く正しく伸びてゆくことでしょう。
人間は、それぞれが美しい孤独の所有者でなければなりません。孤独であれば、一人の友人を得、一人の友人を得、一人の生徒さんと出会い、あるいは一つの花の美しさに接したとき、いつも初心に返って自分自身を見直すことができるからです。
冬の中にだけ春はあります。
冬の中にだけ春はあります。
教えることは尽くすこと
「教える」という字の偏は孝行の「孝」を書きます。孝には「尽くす」「大切にする」という意味があります。一生懸命に尽くすことが教えることなのです。
心の込もっていない知識の受け売りは、相手には伝わらないものです。いまの中学・高校の教師が生徒から暴力を受けるというのは、きっと教師の側に尽くす心が欠けているからに違いありません。高校野球などで学生たちのあの純真さを見ていると、彼らが粗暴で未熟な子供だとは思えないのです。
あなたも、もし自分の教えている生徒さんから真心からの答えが返ってこないときは、自分の尽くしかたが足りないのではないかと反省してください。
厳しさをもって
女性とは、物静かな仕草で花を活け、結婚しては子供を産み育て、家を守るのが理想だと思っている人がいまだに多いようです。しかし、現代のように、炊事も洗濯もほとんど自動的にできるおかげで、女性が自立して社会に出て働くようになってみれば、保守的な考えにも無理があるでしょう。
ところが仕事のうえでミスをしたり嫌なことがあると、すぐに物静かな女のイメージに帰りたがるひとが多く、その安易さがなかなか本当のプロをつくらないのです。
きもの着付けでも、厳しい練習や教室での指導で壁に当たると、苦しみながら乗り越えるよりも中途半端な会話や喫茶店に逃げ込みがちです。私たちの教室では、そういう安易さに流れてはいけません。一生のうちに、自分を磨ける時間というのはわずかなのですから。
皆さんには、孤独のうちに闘い抜く厳しさをもって前進してください。世の中は他人に対して厳しいものです。おかげで裁判所は大忙しです。しかし、厳しさは自分に対して向けるべきです。結局はそれが自分を大切にすることになるのですから。
なにものにも勝る緊張
風のまったくない静かな部屋に、一輪の花を挿したとしましょう。やがて、ふくいくとした香りが部屋中に立ちこめます。香りは微少な分子か粒子です。風もないのにこの分子は広がります。それに、静止しているようでも、空気の分子は絶えず動き回っているからです。
人間もこれに似ています。飛行機で高い地上を見おろすと、実に静かで何の動きもないように見えますが、地上では目まぐるしく動き回っている人々が、毎日さまざまに変化し続けています。
一人の人間をみても同様です。毎日、同じように練習していても、その着付けは少しずつ変わっています。その日の体調の違いもあるでしょう。そして目には見えない心の微妙な動きや変化が、そのまま現れてくるのです。
きもの着付大会のステージでの、皆さんのかすかに震える白い指先や純白の足袋の動きに胸が詰まる思いがします。
生徒の皆さんは、緊張感の中で自分自身をはっきりと見つめられたことでしょう。そしてその体験は、きっと竹の節のようにその人の人生を強くしてくれるに違いありません。
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