きもの(着物)の着付け教室の「尚美流」

『みがかずば玉の光はいでざらむ人の心もかくこそあるらし』
　この度の大会に向けてのお稽古は、この歌の真に迫ったような日々となりました。
　2022年の応援見学で尚美流の優美な世界に触れ、自身も挑戦してみたいと思いました。お稽古でしっくりこない点を何時間もかけて練習、ストンと答えが出た時はきものに真摯に向き合えた悦びを感じました。ステージでは深呼吸を促され緊張はせずに出来たと思っていましたが、最後には初めての舞台をやり切った感と張り詰めていた糸が切れたかのように溢れるものがありました。
　ただ、入賞できなかったことは、急病で滋賀に来られずとも会歌の美声で応援くださった鈴木勝子先生、わざわざ来秋してまでご指導くださった福田田鶴子先生に大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。環境が整い参加する機会がありましたら、次回は上位入賞出来るよう研鑽を重ねるつもりでおります。

　私が習い始めたきっかけは、ゆかたを自分で着たいと思ったからです。教えていただける方を探すうちに市川先生の着付け教室を知りました。ゆかただけのつもりでお願いしましたが、母の残してくれたきものの話をすると、先生からきものの着付けを勧めていただき教室に通い始めました。
　自分で着られるようになるなんて思いもよらなかったので喜んでいましたが、不器用で身体も硬いうえ、教えていただいた事を翌週には忘れていたので恥ずかしいと思っていました。そんな私に先生は優しく温かく指導してくださり、教室の先輩方もとても楽しく和やかな方ばかりで、毎週のお稽古が楽しみになっていきました。
　通い始めて数か月で発表会に出させていただき、今回初めての全国大会という大きな舞台に立たせていただけることは一年前の私には思いもしないことでした。上がり症なのに緊張することなく楽しめたことは、とても貴重で素敵な経験になりました。
　そして、母の残してくれたきもので出場出来たことに胸がいっぱいになりました。素敵な機会を与えてくださり感謝しております。
　キラキラ輝いている先生方や皆様を拝見することができ感動の2日間でした。ありがとうございました。

　当日、大会へ向かう列車から諏訪湖を望むとむこうには、朝の光に包まれた富士山が見え、しなの号からは虹が見え、大津に至れば目前に琵琶湖が広がり、行き合う方々は皆さん素敵で、流れる調べは優美な響き…思えば、きもののたたみ方を教わりたくて、そしてきものを扱うことができれば、言語や食文化にもましてわかりやすい国際交流が叶う、と始めたきものの着付け。この様な私が今回、この華麗な舞台に立つ機会をいただけましたのも、ひとえに先生方をはじめ、教室の皆さん、スタッフの方々のおかげと、心より感謝申し上げます。このご縁を大切に、精進してゆきたく存じますので、今後ともご指導の程、宜しくお願いいたします。

　自分できものが着たいという思いだけで昨年の5月より教室に通い始めて、まさかこのような大会に出場させていただくなんて思ってもいませんでした。
　当日控室では、髪をきちっとセットして凛とした雰囲気の他の選手の皆様に圧倒されました。本番では不安と緊張の中、なんとか時間内に着ることができてほっとしたものの、後で「あれも出来てない。これも出来てない」と思うことばかりでした。
　きれいな着付け姿はもとより、流れるように美しい所作で着ることが出来るように、練習を積み重ねたいと思いました。
　本当に同じことを何度も何度も優しく丁寧に、熱心にご指導してくださった先生方や、一緒に出場した仲間、暖かく応援してくださった教室の皆様に心から感謝申し上げます。

　制限時間7分。これをクリアすることが初出場の私の目標でした。なぜなら、練習段階では一度も達成できなかったからです。本番ではなんとかクリアできましたが、出来上がった姿は理想とは程遠いものでした。練習不足を痛感し、次の機会には自信をもって舞台に臨めるようお稽古できればと思っております。
　緊張の舞台の後は、夕食パーティー等楽しいひとときを過ごさせていただきました。
　翌日は、プロの先生方の鮮やかな立ち振る舞い、受賞された方々の晴れやかな笑顔、美しい涙にとても感動いたしました。みなさまのたゆまぬ努力の積み重ねを思うと、心から敬服いたします。
　このような素晴らしい機会を与えてくださった、協会のみなさま、戸村先生、支部のみなさま、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。